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診療科案内

腫瘍内科(臨床腫瘍科)

写真:腫瘍内科(臨床腫瘍科)

メッセージ

好生館には『好生の徳は民心に洽(あまね)し(人の生命を大切にする徳を万人にゆきわたらせる)』現代語訳すると、"最新の医療を必要な人すべてに提供していく"という1834年来受け継がれている理念があります。
がんの薬物療法は、目覚ましい発展を続けており、最近は分子標的治療薬やがん免疫療法と呼ばれる新薬の登場により、進行がんも、ある程度コントロールできるようになってきました。そんな現代においても、依然として進行したがんを根治させることは困難です。一定期間コントロールできても、残念ながら、やがて命を脅かすようになってきます。
そんな現実の中で、どのように治療に取り組み、病気と向き合えば、希望を持ったり、幸せを感じたりすることができるのでしょうか。とても難しいテーマですが、がん治療に限らず、病気と向かい合う時、老いと向かい合う時、私たちが対峙せざるを得ない重要な問いです。
進行がんの厳しい現実と向き合う患者さんは、がん医療に関する多くの情報の中で心を揺さぶられることが多くあります。でも、その多くは、科学的根拠が乏しく、真に患者さんの役に立つことはありません。ノーベル賞級の科学的根拠を有する新薬であっても進行がんを完治させることは極めて難しいのです。
「標準治療」は「並みの治療」と誤解されがちですが、現代における最も手堅い科学的根拠が豊富な治療です。標準治療は多くの患者さんの治療実績の積み重ねにより築きあげられた現時点における"多くの患者さんにとって最良"とされる治療です。好生館では、標準治療の実施を基本としておりますが、治療方針決定に際しては、患者さんご自身の生活背景や価値観などをお聞かせいただきながら、医学的判断を加えて複数の治療選択肢を提案させていただき、個々人にとって最良と思われる治療選択を行うことを大切にしております。薬物療法が必ずしも適さないと思われる場合には、がん薬物療法以外の緩和ケア加療を提案することもございます。お辛いとは思いますが、現実を受け止め、納得して治療をうけていただくことが、病気や治療以外のことにも目を向ける余裕をもって、がんと共存しながら長く日常生活を送る近道であることを多くの患者さんが教えてくれました。臨床腫瘍科は、"がんと共に自分らしく希望をもって生きていただくための医療"を実践します。

医師紹介


佐野 晴彦

医師