診療科案内
産婦人科
診療内容
1.良性疾患
子宮筋腫、子宮腺筋症などの良性子宮疾患、良性卵巣腫瘍、子宮内膜症、月経困難症などは低侵襲治療を中心に行なっております。どの治療方法も利点、欠点がありますので、受診の際にはご自身の症状、治療に期待することなどについて担当医とよくお話し合いください。
薬物療法
症状コントロールを中心に考える場合には薬物療法が中心となります。月経困難症には低容量ピルを始めとした各種ホルモン療法を年代に合わせて行なっています。
若くまだ妊娠、出産まで時間がある方は低容量ピルがおすすめとなります。月経痛の軽減はもちろんですが、避妊もできることや、月経がおこる時期が自分でコントロールできることがメリットです。妊娠、出産を考える時期に差し掛かるとホルモン療法は行えませんので、後述の手術療法を行うか、不妊治療などでの積極的な妊娠を目指します。分娩が終わり挙児希望がない場合には低容量ピルを再開するもの良いですし、血栓症などのリスクがより少ないプロゲスチン製剤に切り替えても良いでしょう。閉経が近い場合にはGnRHaを使って閉経を期待する「逃げ込み療法」も有効です。
手術療法
薬物療法で症状がコントロールできない場合や大きさが問題となる場合には手術療法が必要です。また、挙児希望があるが中々妊娠しない場合には手術療法が選択肢となります。
当院では良性疾患手術は大部分が内視鏡下に行なっております。
腹腔鏡下手術
おへそと下腹部2から3箇所に小さな穴を開け、そこから器具を挿入して手術を行います。傷はそれぞれ1cm程度で術後も傷が目立たない状態になります。また、術後の疼痛が軽く、体への負担が少ないため、入院期間も開腹術より短くなる(当院では術後4日目退院が標準です)のがメリットです。当院では子宮全摘術、筋腫核出術、卵巣腫瘍摘出術などの腹腔鏡手術が可能です。ただ、10cmを超える腫瘍や悪性の疑いが除外できない場合には腹腔鏡での手術を行うことができません。
子宮鏡下手術
子宮内に突出する病変については子宮鏡にて手術を行なっております。粘膜下筋腫や子宮内膜ポリープなどが対象です。また、これらの腫瘤切除のみでなく、過多月経には子宮鏡下内膜焼灼術(MEA)も行なっております。1泊入院で手術できますのでお忙しい方にはお勧めです。ただ、大きさに限度があること(2-3cm程度が限界)、症状がコントロールできない場合があることが欠点です。
その他の治療法
子宮動脈塞栓術(UAE)
細いカテーテルを足の付け根から子宮動脈内に挿入し塞栓物でつめてしまう治療です。子宮筋腫の症状コントロールに有効で、子宮摘出に抵抗がある方などにはお勧めです。妊娠を希望されている方への安全性はまだはっきりとしませんので挙児希望がある方は別の方法での治療が良いでしょう。
2.悪性疾患
子宮、卵巣の悪性疾患も取り扱っております。ただ、進行子宮頸癌は根治的放射線治療が当院では施行できないため取り扱っておりません。
子宮頸部異形成
子宮頸部高度異形成と診断された場合には治療を行なっております。挙児希望がある場合には子宮頸部を一部切除する円錐切除を行なっております。当院では1泊入院での手術となります。挙児希望がなく子宮を残すことに不安がある場合には子宮を摘出します。この場合は腹腔鏡での子宮全摘術となります。
子宮体癌
当院では佐賀県で唯一早期子宮体癌に対する腹腔鏡下根治手術を行なっております。腹腔鏡下手術が可能なのは低リスクの子宮体癌で概ねIa期に相当すること、組織型が特殊な物でなくグレードが1あるいは2のものが対象となります。子宮が筋腫等で大きい方や腟が極端に狭い場合などは腹腔鏡下手術を行うことができません。その他色々な状況で腹腔鏡下手術ができない場合がありますので診察を受け際にご相談となります。
卵巣癌
卵巣、卵管、腹膜より発生した悪性腫瘍です。手術、術後化学療法も行なっておりますが、病勢コントロールが難しいと判断される場合には、より高度な医療機関にご紹介することがあります。
3.その他の疾患
不妊治療は一般不妊検査、タイミング法は対応可能ですが、人工受精より高度な治療に関しては専門病院に紹介しております。
性行為感染症などの各種感染については、一般診療所では診断、治療が難しいものについて診療しております。経過等について紹介状ご持参の上で受診お願いします。