診療科案内
放射線科
診療内容
放射線科の診療は大きく以下の3つに分かれ、すべての診療は放射線部に所属する看護師、診療放射線技師、事務職員の緊密なチーム医療で行われています。
- 画像診断
- 放射線治療
- 画像下治療(IVR)
画像診断
患者さんの『からだの中を映し出す』 画像検査を、患者さんの症状、病状に合わせ解析し(この作業を読影と言います)、患者さんの診療を担当している医師に『画像診断報告書』を作成しています。この画像検査にはCT検査、MRI検査、核医学検査、単純X線検査やバリウムなどの造影剤を用いた造影検査が含まれます。
がんや感染症、その他のあらゆる病気へ対処する、すべての医療は『診断』することから始まるといって過言ではありません。現在の高度に細分化された医療では、新たな画像診断法が次から次に開発され、個々の医師がすべての方法に精通し、診断することは困難となっています。放射線科医は好生館診療の入り口や様々な診療の岐路に位置し、画像診断に精通したスペシャリストとして勤務しています。すべての診療科と密な連絡を取り合いながら、患者さんに安全かつ正確な画像診断を提供して、好生館医療のレベルや質をよりいっそう高めるよう努力精進しています。
主な画像診断装置
CT装置2台(キャノン、320列および80列マルチスライス)、MRI装置2台(フリップス、3テスラ及び1.5テスラ)、核医学診断装置(GE、SPECT装置)1台
放射線治療
すべての悪性疾患が放射線治療の対象です。すべての患者さんについて治療前に十分に検討し目的を明確にし、それを患者さんとよく相談した上で、治療を行っています。治癒を目指す根治照射では肺癌、食道癌、膵癌、膀胱癌、前立腺癌など、がんによる症状の軽減を目指す緩和照射では骨転移やリンパ節転移など、手術の補助となる術前または術後照射では乳癌、直腸癌などを対象疾患として放射線治療を行っています。
治療を行っている患者さんは、好生館の診療科で外来もしくは入院診療中の患者さんが大部分です。外来通院が可能な患者さんでは連携病院の先生方からのご紹介で当科外来での治療も行っています。
放射線治療専門医を中心に、専従の診療放射線技師と看護師とのチーム医療により、患者さんへのきめの細かいサポートをしながら、行われています。放射線科での入院診療は行っておりません。
前立腺癌からの骨転移の患者さんにはゾーフィゴによる放射線内用療法が泌尿器科を窓口にして行われています。骨に集積する性質を持つラジウム-223から放出されるアルファ線(放射線の一種)で骨に増殖したがん細胞の増殖を抑える放射線治療です。(本治療については、泌尿器科ページをご覧下さい。)
主な放射線治療装置
リニアック1台(エレクタ、Synergy)、治療用CT装置1台(キャノン、16列マルチスライス)
画像下治療(IVR)
IVRはインターベンショナル・ラジオロジー(Interventional Radiology)の略語です。X線、CT、超音波などの画像診断装置で患者さんの体の中を映し出して見ながら治療を行うので、日本語では "画像下治療" と訳されます。
外科手術のように身体の一部を切り開くことなく、カテーテルや針などの小さな医療器具を目的とする身体の奥にある病変の近く/内部まで進めて、薬の注入や血管を詰めたり、広げたり、組織の一部を採取するなど様々な治療を行うことができます。体にほとんど傷を残さず、体に負担がかからずに行うことができるので、いわゆる『低侵襲治療』の代表的方法のひとつです。また、特定の治療については、アンギオ透視装置を設置したハイブリッド手術室で、心臓血管外科医による手術手技と放射線科医による血管内治療手技を組み合わせて、技術的に困難な治療をより安全に行うハイブリッド手術も行っています。CVポートは、中心静脈カテーテルの一種で皮膚の下に埋め込むタイプの小さな医療器具です。主に前胸部に留置し、主に抗がん剤などを投与し化学療法を実施するために使用します。
放射線科では、以下のような画像下治療を、好生館の多くの診療科との協力の下に行っています。
- 肝細胞癌、転移性肝癌等の悪性腫瘍に対する動注化学療法・リザーバー留置術・動脈塞栓術
- 内臓の動脈瘤/仮性動脈瘤や血管奇形等の血管病変や、消化管出血、喀血、産科出血、交通事故や外傷による出血に対する血管塞栓術(緊急止血術を含む)
- 大動脈や下肢などの末梢血管に対する血管拡張術、ステント/ステントグラフト留置術
- 子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術
- 胃静脈瘤に対する治療(バルーン閉塞下硬化療法:B-RTO)
- 画像ガイド下生検・ドレナージ
- CVポート留置(中心静脈カテーテルの一種。前胸部皮下に留置し、主に化学療法を実施するために使用する)
協力している診療科
救急科、消化器内科・外科、呼吸器内科・外科、血液内科、糖尿病代謝内科、肝胆膵内科・外科、心臓血管外科、形成外科、小児科、小児外科、整形外科、泌尿器科、緩和ケア科、産婦人科、乳腺外科等
※放射線科は入院診療を行っていません。上記の画像下治療はそれぞれの診療科に入院して行っています。
主なアンギオ透視装置
シーメンス/ Artis zee TA、フィリップス/ Allura Xper FD20C(ハイブリッド手術室)