診療科・部門
医療機器のご紹介
放射線診断装置
コンピューター断層撮影(CT)
Aquilion ONE
動体撮影を可能にする最新型CT装置
Aquilion ONE(320列)は、従来CT装置(64列)の4倍以上の範囲を一度に撮影できるため、今まで不可能であった臓器(脳、心臓、腹部大動脈等)の血流評価を一度に行うことができます。 これまでは血管造影検査で侵襲的に評価していた検査を、非侵襲的に検査できるため、日帰りで検査を行うことができます。
また、最新の画像再構成技術(FIRST)を用いることで、従来CTでは評価困難であった末梢血管の評価や、ステント内のプラーク評価等を行うことが可能になりました。
その他に、Dual energy-CTや被ばく線量低減など様々な技術を駆使した最新型のCT装置です。
核磁気共鳴画像法(MRI)
Ingenia ElitionX (3.0T)
人工知能や最新技術を駆使した高磁場MRI装置
Ingenia ElitionX (3.0T)は, 現在使用されているMRI装置の中でも, 最高クラスの高磁場(3.0T)を使用したMRI装置です. 高磁場とデジタルコイルシステムの融合により, 画質の向上および検査時間の短縮を行うことができます. また, AI(人工知能)技術を応用することで, 短時間で高分解能の画像を撮影することも可能です。 その他に最新の撮影技術を用いることで造影剤を用いずに血管(MRA:MR Angiography)や血流評価(ASL:Arterial Spin Labeling )を行うことができ, 神経の描出(DTI:Diffusion Tensor Imaging)や脳の賦活部位の特定(fMRI:functional MR Imaging)など, 高度な医療をより低侵襲に提供できる最新型のMRI装置です 。
SPECT装置
GE社製Infinia Hawkeye 4
脳血流シンチグラフィーは、脳の血流が十分かどうか、その分布の仕方などを調べることができます。
動脈硬化やもやもや病など脳血管が狭窄している場合に、脳血流の低下がみられ、脳梗塞発症のリスクを予測することができます。
ハイブリッド手術室
Allura Xper FD20 OR
安全な手術を可能にする最新血管X線撮影装置
ハイブリッド手術室とは、手術室と血管X線撮影装置を組み合わせた高機能な手術室のことで、これにより清潔度が高い環境下で、カテーテルによる血管内治療、また外科手術を同時に行う事が出来ます。 そのため手術を迅速かつ安全に実施することが可能となります。
血管X線撮影装置を使用したカテーテル治療とは「カテーテル」という細い管を、手首・肘・足の付け根などの血管から入れて、造影剤という薬を流し、放射線を使って造影剤が流れているところを撮影して検査・治療することを言います。
当院では大動脈瘤に対するステントグラフト留置術、脳動脈瘤・脳動静脈奇形などに対する脳血管内治療、肺腫瘤に対してのCTガイド下マーキングなどの手術の場合にハイブリッド手術室を使用しています。
※ハイブリッド室での手術風景。脳動静脈瘻の手術
※開頭手術中に脳血管撮影を行い、脳動静脈瘻が閉塞しているか確認しています。
放射線治療機器
TrueBeam®
当館では医療用直線加速装置を用いた体外照射を行っています。2024年3月に治療装置を更新し、Varian社製TrueBeam®での放射線治療を開始しました。 治療寝台上でCT画像(コーンビームCT)や体表面画像を取得し、ロボット寝台を移動させて照射する位置を補正します。回転ガントリに内蔵されたマルチリーフ・コリメータは、病巣に合わせて変化し、照射される放射線の形状を最適化します。肺がんなど呼吸で移動する腫瘍の場合は、腫瘍の移動範囲を確認したり、呼吸のタイミングに合わせて「ねらい撃ち」するように照射することができます(呼吸同期照射)。これらは全てデジタル化された治療システムによって自動的に制御され、病巣に放射線を集中し正常組織の曝露を最小限にすることができます。小さな病巣をピンポイントで治療する『定位放射線治療』にも対応しています。
生理診断機器
脳波や体制感覚誘発電位、聴性脳幹反応、視覚誘発電位、運動誘発電位などの電気生理学的検査およびINVOSで脳血流をモニターすることにより、手術や、血管内治療が安全に行えるようにしています。
脳波計
- GRASS社製 デジタル脳波計 コメット(据え置き型)
- 日本光電工業社製 デジタル脳波計 Neurofax(ポータブル脳波計)
誘発電位計
-
日本光電工業社製 筋電図・誘発電位検査装置 Neuropack S1 2台
(1台には運動誘発電位用の刺激装置が付属)
体性感覚誘発電位(SEP)
体性感覚誘発電位とは体性感覚刺激によって中枢神経に誘発される電位のことを言いますが、脳血管障害の領域では通常大脳で誘発される電位を使用します。感覚伝導路の障害によって、この電位が消失したり、潜時が延長したりします。脳血管障害の領域では頸動脈内膜剥離術やステント留置術などを行う際に脳血流を一次的に遮断するときに虚血による脳障害の指標として使用します。
運動誘発電位(MEP)
大脳の運動野を電気刺激して、目的の筋肉から表面筋電図を記録する方法で、運動路が障害されると、この電位が消失したり、振幅が低下したりします。動脈瘤のクリッピングの際に、運動路を栄養する穿通枝の血流が保たれているかをモニタリングするのに用いられます。
INVOS
組織酸素飽和度を連続的にモニタリングするシステムです。組織酸素飽和度をモニタリングすることにより、局所の脳の灌流状態の変化を捉えることができ、術中リスクを低減させたり、術後合併症の予防や予後の改善を図ります。
写真は頭蓋頸椎移行部の動静脈瘻の手術に際して、SEPとMEPをモニターして手術を行っているところです。
超音波診断装置
脳卒中センターでは、LOGIQ S8(GE healthcare)を常備し、脳卒中の急患の診断・治療に必要な超音波検査(頸部血管エコー、心エコー、経頭蓋カラードプラ(TCCS) 、経食道心エコー等)を迅速に行います(図1、2)。
また、脳動脈モニタリングシステム ソナラ(利康)を用いた経頭蓋超音波ドプラ(TCD)により、頭蓋内動脈の持続的血流評価/モニタリングを行います(図3-a,b)。