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眼科:網膜硝子体内視鏡手術
網膜硝子体内視鏡手術とは
ポートから挿入した内視鏡で眼内を直接観察しながら硝子体手術を行うことが出来ます。手術終了時に顕微鏡の死角部分に剥離や裂孔などがあった場合、これを見逃したまま手術を終えてしまう可能性がありますが、眼内視鏡を使えば手術終了前に眼内全周を確認することができるので、術中に生じたトラブルの見逃しを避けられ、ひいては、再手術の確率を減らすことができます。
治療体制
角膜混濁・裂傷
硝子体手術は、通常、手術顕微鏡下で行われますが、手術顕微鏡では角膜混濁・裂傷などで眼内を観察することが出来ず、手術を行うことが出来ない場合があります。
眼内視鏡を使えばこれらすべての症例で眼内を観察することができます。
眼内炎の硝子体手術
眼内炎をきたした場合、角膜混濁やフィブリン膜の発生により前房の透明性が悪くなります。この状況では顕微鏡による手術は困難なため、症状が改善されるまで手術を行うことはできません。
しかし、前房の症状改善を待つ間に眼内の炎症が悪化してしまう恐れがあります。眼内視鏡を使えば、前房の透明性にかかわらず手術を行うことができます。従って、即座に硝子体手術を実施することができ、眼内炎の悪化を防ぐことができます。
特徴
コンステレーション
ビジョンシステム
白内障・硝子体手術を同時に行う事のできる世界でも最新の手術装置です。 安全で低侵襲かつ従来より短時間で手術が可能となり患者さんの負担が格段に減少致します。
硝子体カッター
硝子体カッターの性能が10,000cpm(1分間に10,000カット:従来の2倍)と、非常に優れているので、硝子体をより安全に切除することにより合併症のリスクを軽減します。
また、小切開手術を行うこともできます。切開幅25G(0.5mm)と非常に小さな穴を眼球に開けるだけで手術ができるので、難症例にも安全に対応でき、術後の負担を軽減、早期回復が可能となりました。
3CCDイメージングシステム(FT-203F)
硝子体手術においては通常、手術顕微鏡にて経瞳孔的に観察しながら行われますが、瞳孔からの観察が不可能な場合、角膜上皮剥離、人工角膜装着、水晶体の摘出や切除などを行ってから硝子体手術が可能となります。一方で、内視鏡などのイメージングシステムを使用することにより角膜や虹彩、水晶体への不要な侵襲をする必要がなく、従来不可能とされていた条件下での硝子体手術が可能です。
対応疾患
糖尿病網膜症、裂孔原性網膜剥離、黄斑前膜(黄斑上膜)、黄斑円孔、黄斑浮腫、硝子体出血、その他(増殖硝子体網膜症、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症、網膜下出血、硝子体混濁など)
よくあるご質問
手術する際に入院は必要ですか?
当科における手術は、術後の良好な創傷治癒、感染(眼内炎)予防、全身管理のため入院治療を基本としており、院内他科医師との連携によって、全身疾患のある方、高齢者などの眼科手術にも慎重かつ積極的に対応しています。患者さんの必要性と手術の内容に応じて、ご相談の上、日帰り手術も対応しています。