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最新治療のご紹介

心臓血管外科:下肢静脈瘤血管内塞栓術

心臓血管外科:下肢静脈瘤血管内塞栓術

下肢静脈瘤が気になる方へ

下肢静脈瘤でお悩みの方は多いと思います。深部静脈血栓症と混同されることがしばしばありますが、この疾患で生命にかかわることはまずありません。日本人の9%に下肢静脈瘤がみられ、特に女性、高齢者、立ち仕事などで多い特徴があります。主な原因は足のつけ根にある大伏在静脈、膝の裏にある小伏在静脈の弁不全による逆流です。このため下腿にむくみ、つりやすい、不快感などの症状がみられます。静脈逆流によるうっ滞性皮膚炎を合併した場合は難治性となりますので治療適応です。エコー検査を外来で行い確定診断となります。

治療体制

下肢静脈手術

当科での治療は主に弾性ストッキングと手術です。これまでの手術は血管内焼灼術と瘤切除術を組み合わせて行っていました。麻酔管理下での治療ですので最低でも手術当日は入院となります。血管内焼灼術とは文字通り、静脈の内側に熱を加え処理を行う方法で、当科ではラジオ波とレーザーを使用しています。針痕程度で美容上の利点もあります。2012年末より導入し、これまで580例以上に行ってきましたが、有効かつ安全に使用できています。

下肢静脈瘤血管内塞栓術

2019年12月に血管内焼灼術に加え、静脈内に医療用接着剤を注入する方法、下肢静脈瘤血管内塞栓術が保険適用とりました。国内の数施設で導入され大きな問題ないことが判明しました。当科でも2021年1月より開始しました。血管内焼灼術との大きな違いは熱を使用しないことです。このため静脈周囲の熱損傷がなく、熱損傷を回避するための静脈周囲への注射も必要ありません。塞栓物質であるシアノアクリレートに対するアレルギーがあれば治療禁忌です。また複数のアレルギーがある方や抗アレルギー薬服用中の方には使用できません。治療成績は血管内焼灼術と変わらないことが分かってきています。

静脈瘤の大きさや蛇行の程度などから、全ての方にできる治療ではありません。
気になる方はかかりつけ医経由で当科外来(火曜、木曜午前)を受診してください。

画像提供:コヴィディエンジャパン株式会社