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好生館での出産をお考えの方へ

お産のときのこと

陣痛が始まると入院になります。陣痛とは「10分毎に規則的におなかが張る場合」、とされています。痛いの字が入ってはいますが、人によっては痛くないこともあります。それでも陣痛といいます。痛くなくても10分未満でおなかが規則的に張るようになると、お産が進んでくることもあるからです。感覚は人それぞれです。痛みに強い人もいれば、敏感な人もいます。ですから規則的な10分毎のおなかの張りを目安として、連絡をいただくようにしています。ただ、初めてのお産でない場合は進行が速いこともあるので、15~20分毎のおなかの張りを感じるときは連絡をお願いします。診察してお産が進みそうであると判断されれば、そのまま入院です。
陣痛が来る前に破水することもよくあります。破水が間違いなければ、やっぱり入院になりますので、さらさらした水みたいなものが流れてきたときも連絡をしましょう。

病棟

お産のときの連絡は、平日昼間であれば「産婦人科の外来」へ、夜間や休日は「病棟」へ直接電話をかけてください。電話番号は妊婦健診のときに説明があります。産婦人科の病棟は5階の東病棟です。診察や検査の結果で、入院になる場合といったん帰宅になる場合がありますので、入院セットを持って来院しましょう。


陣痛室

お産の待機室的な部屋です。すぐ隣に分娩室があります。陣痛が始まって入院するときはまずこの部屋に通される場合がほとんどです。ご主人に腰をさすってもらうなどして、お産の進行を待ちます。
陣痛が始まってから生まれるまでのこの時期、赤ちゃんはいわばマラソンをしている状態といえます。強い陣痛は赤ちゃんにとっても大きなストレスです。お母さんもがんばりますが、それ以上におなかの中の赤ちゃんはがんばっています。がんばりぬいたすえに新しい家族として誕生します。その瞬間を思い描きながら、その最高の一瞬のために、家族みんなでがんばります。

入院後、お産が終わるまでは胎児心拍陣痛計という器械を装着することになります。病院のスタッフからは「モニター」などと呼ばれることが多いです。これには陣痛の頻度を調べるのと同時に、赤ちゃんが元気でいるかどうかのサインをチェックする大切な役割があります。赤ちゃんは、お産というマラソンを走っています。中には途中で力尽きてしまう子もいるわけですが、そんな時でもおなかの中にいるためギブアップサインを伝えることができません。ほったらかしにされると窒息してしまいます。「モニター」はそんな赤ちゃんの聞こえない声を届けるための装置です。とても大事です。
好生館では、陣痛室や分娩室でとっている「モニター」はナースステーションの天井から吊るされている大型ディスプレイに映るようになっていて、病棟にいる誰もがリアルタイムに赤ちゃんの状態を把握できます。当然、映されるグラフから赤ちゃんの声を正しく聞くためには高度な専門的知識が必要です。そのために病棟のスタッフは日々勉強をしているのです!

お産までの時間が長引くと母子同様に子宮も疲れてくることがあります。陣痛が弱まってしまうのです。微弱陣痛といって、いわゆる難産のひとつです。陣痛が弱くなると、なおのことお産がそこでストップしてしまいます。中途半端なストレスがいたずらに長引くとお母さんにも赤ちゃんにもよくありません。そんな時、陣痛を強くする薬、「陣痛促進剤」と呼ばれるものが必要となります。これで帝王切開をせずに済むことも少なくありません。お産の時期を早めたいとき(妊娠高血圧症候群になったときなど)にも使用されます。
使用に際しては患者さんの正しい理解も必要になりますので、適宜説明を行いながら同意を得た上で使用しています。


分娩室

いよいよ生まれるときが近づいてくると、陣痛室から隣の分娩室へ移動です。分娩台、赤ちゃんの処置台などが置いてあります。お産が終わって2時間後くらいまでは、この部屋で過ごすことになります。好きな音楽があれば、CDを持ってきましょう。お気に入りの音楽を聞きながらのお産もいいですね。
立ち合い分娩も可能です。お母さんを激励してください。そして生まれたての赤ちゃんと対面しましょう。諸々のご希望は妊婦健診時の助産師相談でお申し出ください。
産婦人科医師は日替わりの当番で夜勤をしています。夜間休日のお産に際してはその日の当番医師が担当することになります。外来の担当医と違う場合があることをご承知置きください。

当館では、原則として、医学的に必要がある場合に限り無痛分娩を行っています。例えば、母体に心臓病があって強いストレスが危険と判断されるとき、痛みによって発作が引き起こされる可能性がある病気をお持ちの方などです。
無痛分娩の方法は、硬膜外麻酔といいます。背中に細いチューブを挿入して麻酔薬を注入する方法です。麻酔科医に依頼してチューブを挿入してもらいます。
適応に関しては、妊婦健診を通して検討していくことになりますので、他院で妊婦健診を受けられている方は、主治医の先生と当館への外来紹介などについてご相談ください。

お産は、原則的に経腟分娩が最も自然な形で、よりよい分娩方法です。でも、時には帝王切開をしなければならない場合があります。逆子のときや、骨盤が狭いとき、前置胎盤のときなどです。また、多くの病院と同じように、当館でも、過去に帝王切開による分娩をされている場合は、帝王切開での分娩を選択しています。時にはお産の最中に帝王切開に切りかえる必要が出ることもあります。どうしてもお産が進まないとき、おなかの赤ちゃんが危険な状態になったときなどに緊急帝王切開になります。事前に予測できないこともあるので、どんな妊婦さんも帝王切開になる可能性を秘めています。好生館では分娩室のすぐそばに手術室への直通大型エレベーターがあるため迅速な対応が可能です。
帝王切開になると、経腟分娩のときよりも退院までの期間が長くなります。おおむね手術後1週間程度です。残念ながら手術室には一般の人は入れませんので、この場合、立ち合い分娩はご遠慮していただいています。


病室

退院の日取りは、初産婦さんでお産後6日目、経産婦さんで5日目、帝王切開だと7日目くらいが目安です。
病室には個室と多床室(4人部屋)があります。個室・多床室の選択については、できるだけご希望に沿えるように努力しますが、数に限りがあるため、他の入院患者さんとの兼ね合いで変更していただく場合があります。
当館では個室の場合のみ母児同室が可能です。多床室の場合はナ-スステーション横の新生児室で赤ちゃんをお預かりし、授乳等の際に授乳室まで足を運んでいただくことになります。