診療科案内
血液内科
実施中の観察研究
【研究課題名】疫学調査「血液疾患登録」
研究期間
2016年12月8日~2021年12月31日
研究等の概要
血液疾患は、内科疾患全体の中では約1割に満たない比較的稀な疾患である。
しかし、その多くは白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの重篤な悪性疾患か、再生不良性貧血や特発性血小板減少症などの難治性疾患である。
それ故、病態研究や、新しい治療法の開発が必要とされている疾患が大部分を占めている。
また、血液疾患の場合、近年の慢性骨髄性白血病治療における分子標的療法のように、新薬の登場によって予後が劇的に改善するということが起こりうる。
頻度の低い難治性疾患の治療成績を向上させるためには、疾患の発生頻度、年次推移、地域差などを正確に把握し、これらの資料を礎として、多施設による臨床試験、研究を行う必要がある。
しかし、血液疾患領域においては、診療費が公費で負担される一部の疾患を除いて、全国的な疾患登録と解析は殆ど行われていない。
このため、ある疾患が特定の地域においてどの程度発生し、どのような治療や研究が必要とされているのかなどが全く不明である。
こうした状況を改善するため、日本血液学会は、一部の疾患(鉄欠乏性貧血など)を除くすべての血液疾患を対象として、診断時に患者情報と細分類名を含む疾患名、及び生存・死亡などの転帰情報を併せて収集し、必要に応じて二次調査を行うという血液疾患登録事業を、2006年10月から行っている。
血液疾患の発生数・死亡数に関する動向を把握するため、患者情報の一部と疾患名、転帰をデータセンターに登録する。
【研究課題名】造血細胞移植医療の全国調査
研究期間
当院倫理審査承認日~原則として調査期間(調査終了時期)を定めないが、10年ごとに継続のための倫理審査を経て継続する。
(1993年当初より開始している)
研究等の概要
(背景及び目的)
造血幹細胞移植の実態を調査報告することはわが国での造血幹細胞移植治療の適正な発展のために不可欠である。日本造血細胞移植学会および日本造血幹細胞移植データセンター(JDCHCT)が実施する全国調査は、移植件数と移植成績の把握を目的とする。
(研究方法)
多施設、介入なし、後方および前方視、侵襲なし
調査には造血幹細胞移植登録一元管理プログラム(TRUMP)を用い、移植および細胞治療等に関する患者およびドナーの臨床データと予後に巻亜するデータを送付する。
「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」により必要な情報の提供について努力義務が課されており、自家移植、同種移植を含むすべての造血幹細胞移植および細胞治療について疫学調査を行うが、調査研究の同意が得られなかった場合は、研究目的には利用しない。 また、年に一度、一月に前年に行った移植に関してデータ登録を行う。