野田 龍之介
初期臨床研修医1年目の野田 龍之介です。平成29年度より、ここ佐賀県医療センター好生館のレジデントとして診療にあたっています。
私は、福岡の筑紫丘高校を卒業後、佐賀大学医学部に入学しました。大学では6年生の8月まで部活を続け、それから医師国家試験の勉強を本格的に始めました。病院見学もまともに行かず、将来は地元の福岡で仕事がしたい、好生館は学生の時の実習で行ったことがある、という単純な理由で、好生館-九州大学プログラムを選択しました。
病院選択に関しての立派な理由は、これまでも多くの研修医の皆さんが書いてくれていますので、今回は好生館での研修医の日常について書いていきたいと思います。
研修医のほとんどは、病院の敷地内にある研修棟の寮に住んでいます。新病院に移転してから間もないということもあり、部屋は広く内装はきれいです。
私たちは、各々の部屋から毎朝同じ建物にある研修医医局に向かいます。ここは初期研修医のみが在席する部屋で、一人一人にデスクと電子カルテが支給されています。そのため医学生なら誰もが経験するであろうカルテ不足というストレスから解放されます。仕事も勉強も医局で過ごす時間が長くなるため、就職したばかりのころには殺風景だったデスクも徐々に個性(書類の散乱した人、パソコンのキーボードやモニターを拡張する人、大量のお菓子をストックする人など)が見られるようになります。設備としてはコピー機、プリンター、冷蔵庫、電子レンジなどが備え付けられており、週に二回白衣とスクラブを洗濯に出すことができます。また、旅行や里帰りなどのお土産を置く共有スペースもあり、特に夏休みシーズンでは日本各地のお土産が並んでいます。
好生館は佐賀市の田んぼの中央に位置しているため、周囲にお店がほとんどなく、その点に関しては不便であると言わざるを得ません。しかし、ひとたび敷地外に出ると季節毎に色合いの変わる風景が広がり、晴れた日であれば遠くにそびえる雲仙普賢岳を望むことができる、という利点があります。おなかがすけば、院内にはコンビニと来院者用の食堂があり、職員は少し安い値段で食事をとることができます。食堂は平日であれば夜9時まで営業しており、昼も夜も食堂のお世話になることが多々あります。
こうして一日のほとんどの時間を院内で過ごすため、必然的に研修医同士の仲は深まっていきます。自分が経験した症例を教えあったり、わからない時に質問しあったりと、コミュニケーションをとりつつプレゼンテーションの練習にもなっています。
仕事だけではありません。プライベートでも仕事終わりには佐賀駅周辺まで飲みに出かけることもあり、月に1回は同期で集まって寮で飲み会を行っています。
もうすぐ研修1年目を終えようとしていますが、2年目も好生館で研修できないことが残念でなりません。
この体験記を読んで好生館での初期臨床研修に少しでも興味を持っていただければ幸いです。是非、病院見学で研修医の生の声を聞いてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。