馬場 俊和
研修医の馬場 俊和です。当院基幹型プログラムで2年間、研修させていただいています。
このページを開いた方の多くは、研修病院選択で悩んでいる医学生だと思います。僕も2年前は悩める医学生の1人でした。評判やホームページの情報をもとに4~5か所病院見学に行きましたが、どの病院でも自分が働いているイメージは湧かず、ここしかないという運命を感じるような病院もありませんでした。
見学先の研修医の話は最も信頼度が高い情報でしたが、決定打にはなりませんでした。その経験が一般化できるのかという疑問があり、雰囲気や魅力的な上級医も1年でガラッと変わることもあると思ったからです。結局納得のいく結論が出ないまま、誤魔化すようにいくつかの病院で面接を受け、最終的に地元の好生館に採用していただきました。
今、自分の病院選択について考えてみると、好生館で2年間研修をしたことはよい選択だったと感じています。他の病院の研修医と話していても、設備面や総合当直の形態では特に充実度が高いと感じています。1か月毎の内科ローテーションと、二年次の自由度の高いプログラムも当院に特徴的です。目まぐるしく色々な科を通り過ぎていくプログラムは、大学を含む他の病院とは異なる部分です。将来進む科を長く研修することも有意義に違いありませんが、一見関わりの薄い科を多く回らせていただいた経験も、いつかよかったと思う日が来ると信じています。
また、病院の規模や体制のおかげか、ローテートせずとも多くの科の先生に覚えて頂きながら指導を仰ぐ機会が多いことも当院の魅力です。色々な診療スタイルを見ることは勉強になるうえ、ロールモデルが多いことは大切なことだと思います。必ずしもポジティブな感情だけでなく、時には「自分だったらもっとこうしたい」「診療に慣れてもこのような発言はしたくない」といったネガティブな感情を沢山抱くことも、駆け出しの医師としては大切だと思いながら研修をしてきました。
研修も終盤に差し掛かっていますが、新鮮な気持ちを失わずに日々研修できているのは幸せなことだと感じています。
研修先選びは悩ましいですが、何かを選び、何かを諦めなければなりません。月並みな表現ですが、どこを選んでも一長一短あります。研修を続けていく中でもきっと、常にある程度の満足と、ある程度の不満足が付きまといます。他の病院を選んでいた自分を夢想したり、他病院の研修医が眩しく思えたり。おそらくどの病院を選んだとしてもそれは同じで、研修医より後になってもその繰り返しなのだと思います。
何かの選択にあたっては、完全に納得する答えが出ない中、どこかで踏ん切りをつけて飛び込むしかないことが殆どです。そんな不確実さの中でも、選択の意味は必ず後からついてくるものだと思います。
皆さんがどのような選択をしても、たとえ当初の予定と違う病院で研修することになっても、いずれ"よい縁だった"と思えることを願っています。そして好生館はきっと、皆さんの研修先の選択肢たりうる病院です。
この2年間素晴らしい指導医、同期、後輩の先生方をはじめ、好生館の温かいスタッフの方々に囲まれたことに深く感謝しています。これから専門分野に進み世の中のため、世界のために仕事をしているという意識を持ちつつ、まずは目の前の患者さんとご家族のことを一番に考えられる医師でありたいと思っています。