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教育センター

臨床研修Q&A

臨床研修でよく質問される事項について

以下に、臨床研修に関する質問事項で、頻度の高いものを列挙しました。
より詳しい情報を知りたい医学生もしくは初期臨床研修医の皆さんは、総合教育研修センター(教育センター内 初期臨床研修部門)まで直接、お問い合わせください。

ご連絡先

〒840-8571 佐賀市嘉瀬町大字中原400番地
佐賀県医療センター好生館 
教育センター内 総合教育研修センター(初期臨床研修部門)
TEL : 0952-28-1206 (直通)
FAX : 0952-28-1281
e-mail : kyoikucenter@koseikan.jp
担当  : 専任事務 岡野(主事)
専任医師: 藤田 尚宏(総合教育研修センター長)


Q1.自分が希望する診療科をローテートすることは可能ですか?
Q2.ローテートする診療科を変更することは可能ですか?
Q3.1年次の内科研修について、具体的に教えてください。
Q4.病院のホームページ情報には掲載されていないようですが、「たすきがけ研修」というプログラムがあると聞きました。具体的には、どのような研修内容なのですか?
Q5.好生館の初期臨床研修の「理念」「基本方針」「目標」について、具体的に教えてください。また、「研修規程」や研修医が単独で行って良い処置の基準などが書かれたマニュアルのようなものはありますか?
Q6.地域医療研修について、具体的に教えてください。1ヶ月以上の研修も可能ですか?
Q7.選択必修科について、具体的に教えてください。
Q8.好生館プログラムの自由選択科の特徴について教えてください。これまでの先輩方が選択した人気診療科には、どのようなものがありますか?
Q9.学会への参加はできますか? また、出張費の支給はありますか?
Q10.当直について具体的に教えてください。当直料はどれくらいですか?


Q1.自分が希望する診療科をローテートすることは可能ですか?
A1.好生館では、初期臨床研修医一人ひとりの要望を取り入れつつ、研修診療科のローテーション表を作成しています。できるだけ希望に沿うようにしますが、研修を希望する診療科やローテートする時期あるいは研修医の年次によって、若干影響を受けます。また、臨床研修の質を担保するため、各診療科の1ヶ月あたりの受入枠は、1名~3名としています(1名当たりの担当患者数が少なくなり過ぎないための配慮です)。特定の月にある診療科に受入可能枠を超えて研修希望者が集中した場合は、研修時期の調整を行う必要があります。
各人の希望は最大限に尊重しますが、場合によっては総合教育研修センターの研修医担当責任者(藤田)が仲介に入り、研修時期をスライドしてもらうこともあります。また、研修1年次における必修科である内科の各診療科および救急科(救命救急センター)の研修時期に関しては、ある程度、総合教育研修センターの方で調整させてもらっています。 
なお、2年次に研修する「地域医療」については、好生館が契約している4つの地域中核病院の中から1施設を選んで研修していただきます。原則として、1施設1名枠となっています。3月と4月は事務手続きの面から地域医療研修が困難であるため、ローテートする時期(月)については、総合教育研修センターの判断で決定させていただいています。 


Q2.ローテートする診療科を変更することは可能ですか?
A2.ローテートする診療科の変更に関しては、できるかぎり柔軟に対応しています。ただし、研修希望診療科の変更願いは、原則として、ローテート開始予定の3ヶ月前までに届け出て下さい。「研修先変更申請書」に必要事項を記入のうえ、教育センターまで提出して下さい(臨床研修管理委員会にて決定された事項です)。 
毎年3月に初期臨床研修医ローテーション表を院内アナウンスした段階で、各診療部長は、研修医の受け入れを想定しレクチャーや当番の割当てなど様々な準備をしています。このため、直前で変更を申し出た場合は、各方面に多大な迷惑をかけることになります。同期の研修医や先輩研修医の研修内容に支障をきたすこともあります。楽しい研修を送るためにも、またチーム医療のためにも、診療科変更願いは早めに提出するようにしましょう。 
急病や特殊な事情により、ローテートする診療科を変更せざるを得ない場合は、教育センターの研修医担当責任者(藤田)に遠慮なく、ご相談ください。


Q3.1年次の内科研修について、具体的に教えてください。
A3.好生館の内科研修には、ひとつ大きな特徴があります。研修期間は6ヵ月ありますが、1ヵ月ずつ各診療科をローテートするシステムとなっています。
内科には8つの診療科(呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、肝胆膵内科、脳神経内科/脳血管内科、腎臓内科、血液内科、糖尿病代謝内科)がありますが、そこから6つを選択して研修します。6ヵ月連続して内科各科を回ることもあれば、他の診療科(救急科など)での研修を挟んで回ることもあります。後者では、内科2ヵ月→他診療科→内科4ヵ月、内科3ヵ月→他診療科→内科3ヵ月、他診療科→内科3ヵ月→他診療科→内科3ヵ月などのローテーションパターンがあります。以下に、具体例を掲示します。

2020年度レジデントローテーション表

「内科の各診療科を1ヶ月ずつ回れば、研修が細切れとなるのではないか?」との意見もあります。しかし、好生館は過去37年間、マルチローテーション研修を提供してきた中で、『各診療科に適切なコンサルテーション・シートが書けるようになるために、最低限の内科各診療科の知識は身に着けてほしい』とのポリシーを持つに至りました。
幸い、自由選択期間は24ヵ月のうち9ヵ月ありますので、1年次に学び足りないと感じた内科系診療科については、ぜひ2年次に選択してみて下さい(先輩の研修医もそのようにしてきました)。

Q4.病院のホームページ情報には掲載されていないようですが、「たすきがけ研修」というプログラムがあると聞きました。具体的には、どのような研修内容なのですか?
A4.佐賀県医療センター好生館が、医師の初期臨床研修プログラムとして、厚生労働省およびJRMP(医師臨床研修マッチング協議会)に正式に届け出ているものは、「佐賀県医療センター好生館臨床研修プログラム」のみです。これは、初期臨床研修の2年間をほぼ好生館でローテートする、いわゆる「基幹型研修プログラム」と呼ばれるものです。
 好生館ではその定員数は11名でしたが、令和3年度採用者から定員が12名となります。より多くの医学生の皆さんが、「佐賀県医療センター好生館臨床研修プログラム」に応募されることを期待しています!
 さて、ご質問の「たすきがけ研修」ですが、これは好生館が大学病院の教育関連施設(協力病院)であるため、それを利用して生まれた研修システムです。2年間の初期臨床研修期間のうち、1年間を好生館で研修するという研修コースで、"協力型" プログラムのひとつに該当します。具体的には、佐賀大学と九州大学とで「たすきがけ研修」が行われており、どの年次で研修するかにより、以下のような4つのコースに分けられます。 

九州大学たすき掛け研修の図

佐賀大学たすき掛け研修プログラムA1の図

佐賀大学たすき掛け研修プログラムA2の図

「たすきがけ研修」とはあくまで、佐賀大学もしくは九州大学の初期臨床研修プログラムに応募し、そのうえで1年次または2年次に好生館で研修するというコースを選択するものです。したがって、佐賀大学や九州大学のたすきがけ研修プログラムに応募すればよく、出身大学が佐賀大学もしくは九州大学である必要はありません。
 上述のように、たすきがけ研修はあくまで上記の大学病院の研修プログラムのひとつですから、好生館のホームページにはその情報を掲載していません。またその定員数に関しては、毎年、各大学病院(卒後臨床研修センターや臨床教育研修センターが実務を担当)と市中病院とが密に連絡をとり合い情報交換をしながら決定しています。


Q5.好生館の初期臨床研修の「理念」「基本方針」「目標」について、具体的に教えてください。また、「研修規程」や研修医が単独で行って良い処置の基準などが書かれたマニュアルのようなものはありますか?
A5.まず、佐賀県医療センター好生館の理念についてお答えします。好生館は歴史のある病院なので、歴史的背景を考慮した「設立の理念」、県民に向けたメッセージともいえる「基本理念」、そして研修医に対する「臨床研修の理念」の3つがあります。具体的には、以下のような文言となります。

設立の理念の図

また、初期臨床研修全般の到達目標は、以下のようになっています(再掲;⇒研修プログラムにも載せています)。

≪ 佐賀県医療センター好生館の初期臨床研修医の到達目標 ≫

【一般目標(GIO)】
(1) 基本的臨床能力(態度、知識、技能)を身につける。
(2) コミュニケーション能力を身につける。
(3) 全人的医療とチーム医療について理解し、多職種のチーム構成員と協調する。

【行動目標(SBO)】

  1. 医師として大切な4つの基本的価値観(社会的使命と公衆衛生への寄与、 利他的な態度、人間性の尊重、自らを高める姿勢)について理解できる。
  2. 各科の主要疾患について、病態を把握し適切な対応ができる。
  3. 患者中心の医療とインフォームド・コンセントの意義を十分に理解し実施できる。インフォームド・コンセントのプロセスでは、説明時の環境やプライバシーにも配慮するとともに、セカンド・オピニオンが保証されていることを理解する。
  4. 全人的医療とチーム医療について理解し、多職種のチーム構成員と協調できる。院内感染対策チーム、緩和ケアチーム、NSTチームだけではなく、精神科リエゾンチーム等とも協調したチーム医療について理解する。
  5. 医療安全管理について理解し、院内感染予防対策を実施できる。インシデント・リポートの記載・提出が習慣化できるように努める。
  6. 医療面接におけるコミュニケーションの意義を理解できる。
  7. 救急外来や病棟などで、患者や家族から適切に病歴を聴取し、正確にカルテ記載ができる。また、診察時の患者・家族へのプライバシー保護にも配慮できる。
  8. 全身にわたる系統的な身体診察が実施できる。
  9. 基本的手技と基本的治療ができる。頻度の高い救急疾患への初期対応ができる。
  10. 医療記録の重要性を認識し、適切に作成・管理できる。電子カルテは原則として毎日記載(平日)、退院サマリーは1週間以内に作成し、上級医・指導医の承認を受ける。カルテ記載にあたっては、EBMや最新のガイドライン等を参照する。
  11. 緩和ケアや終末期医療、アドバンスケアプランニングについて理解し説明できる。
  12. 予防医療や医療の倫理的・社会的側面(公費負担医療・社会復帰支援等を含む)について理解し、説明できる。虐待事例(小児、障害者、配偶者等)が疑われるケースでは、館内の対応手順に従い、行動できる。
  13. 保険診療研修会やCPC(臨床病理カンファレンス)等の必須研修会には積極的に参加する(必須の研修会については、eラーニング等を利用し必ず受講する)。
  14. 地域医療では、一般外来研修の他、慢性期病棟研修や地域包括ケア等も経験する。

そして最後のご質問に対する回答です。好生館では、新規採用職員向けオリエンテーションで、全ての初期臨床研修医に対してA4ファイル180ページの「研修医ノート」を配布していました。しかしながら、2020年度から新しい研修医評価方法であるEPOC2システムが導入されたこと、研修規程を大幅に加筆・修正したこと、研修規程は各研修医に携帯させた方がよいとの意見が多かったこと等を背景に、2020年8月「好生館 研修医必携マニュアル」という小冊子を作成しました。この必携マニュアルには、当館での研修規程に加え、初期臨床研修医が単独で行ってよい処置・処方についての当館基準やEPOC2に対応した研修医評価票なども入っています。

今後、好生館の初期臨床研修医は、この「研修医必携マニュアル」を入職時に配布された『好生館職員のためのポケットマニュアル』に綴じ込めて携行することになります。

Q6.地域医療研修について、具体的に教えてください。1ヶ月以上の研修も可能ですか?
A6.地域医療研修は、原則2年次に1ヶ月間、 以下の臨床研修協力施設で行われます。地域医療研修では、事務手続き上の問題もあり、3月と4月のローテーションは組まないようにしています。
好生館の臨床研修協力施設は、以下の4施設です。
○済生会唐津病院(唐津市)
○多久市立病院(多久市)
○白石共立病院(杵島郡白石町)
○山元記念病院(伊万里市)

 地域医療研修の期間に関しては(精神科研修もそうですが)、1ヶ月を選択する人が大部分です。へき地医療や在宅医療に興味のある方は、希望すれば、最大で3ヶ月間の地域医療研修が可能です(厚生労働省の規定による)。

臨床研修を行う分野と病院の表

Q7.選択必修科について、具体的に教えてください。
A7.選択必修科での研修は、厚生労働省が決めたもので、文字通り必修となります。具体的には、①外科系、②麻酔科、③精神科、④小児科、⑤産婦人科の5領域から、少なくとも2科を選んで研修します。
 研修期間は、当館の場合、1ヶ月以上となっています(ただし、産婦人科研修に関しては診療科の特殊性に鑑み、少なくとも2ヶ月の研修となります)。
 なお、精神科研修は、院外の施設での研修となります。早津江病院(佐賀市)、鮫島病院(佐賀市)、嬉野温泉病院(嬉野市)、肥前精神医療センター(神埼郡吉野ヶ里)の4施設から1ヶ所を選んで研修して下さい。ただし、肥前精神医療センターを希望する場合は、少なくとも2ヶ月の研修期間となります。
 選択必修科の研修は、1年次の自由選択期間(3ヶ月)で行ってもOKです。例えば、1年次の選択期間で形成外科1ヶ月、麻酔科2ヶ月を選んだ場合(選択必修科2科をクリアしているので)、2年次のどこかで1ヶ月地域医療研修をすれば、残りの11ヶ月は自由に診療科の選択が可能となります。


Q8.好生館プログラムの自由選択科の特徴について教えてください。これまでの先輩方が選択した人気診療科には、どのようなものがありますか?
A8.佐賀県医療センター好生館臨床研修プログラム(基幹型プログラム;定員11名)における、自由選択科の特徴について、以下に説明します。
 厚生労働省が定める必修研修診療科は、内科6ヶ月、救急科3ヶ月、地域医療1ヶ月(原則として2年次)、選択必修科2科で2ヶ月(施設によっては4ヶ月)となっています。好生館では前述のように、選択必修科研修が最短で2ヶ月(1ヶ月ずつ2科をローテート)となりますから、基幹型プログラムを選択した場合は、最大で12ヶ月の「自由選択科」研修が可能となります。
 基幹型の場合、1年次研修の終盤に(12月~1月頃)、各人にアンケートを行い、2年次のローテーション診療科を決定していきます。総合教育研修センターとしては、この基幹型2年次の研修希望を重要視しており、可能な限り、選択診療科とローテートする時期を各人の要望に沿うようにしてローテーション表を作成しています。
 例えば、自分は「消化器外科医」になりたいという明確な目標を研修開始時からもっている人は、1年次の選択期間(3ヶ月)で消化器外科と肝胆膵外科をローテートし、2年次には消化器内科⇒産婦人科⇒麻酔科⇒ICU⇒消化器外科など、関連診療科での研修を選択することが多いようです。
 どの診療科にするか決めていない人は、1年次にいろいろな診療科を回るうちに興味がわいてくる分野がいくつか出てくると思いますので、2年次の前半にそれらの診療科で研修し、最終的に自分が進みたい診療科を選ぶというスタイルもあるでしょう。この場合、2年間の初期臨床研修を良い意味で、「モラトリアム期間」と考えてみてはどうでしょうか?
 これまで好生館で研修した研修医の先生方が2年次に選択した診療科で多かったものは、「内科系」「外科系」「麻酔科」「小児科」「感染制御部」「放射線科」「PCU(緩和ケア科)」「脳血管内科」などがあります。「形成外科」を選択する人も多いのですが、この場合、1年次の自由選択期間中の研修を希望する人が多いようです。
 初期臨床研修医には専用の医局があり、常時28名~30名の研修医が集まっていますので、いつの間にか連帯感が強まり、年度によっては外科系を希望する人が多い年、整形外科や放射線科を回る人が多い年など、偏りがある場合もあります。

2020年度レジデントローテーション表


Q9.学会への参加はできますか? また、出張費の支給はありますか?
A9. 学会や研究会への参加は、臨床知識を深めるうえで非常に重要と考えております。初期臨床研修医が演者となり学会発表することも、大歓迎です。好生館では、学会・研究会での発表者に対しては、交通費・宿泊代・参加費を支給しています。学会参加だけでも交通費・宿泊代が出ることが多いです。
 職員が使用するPCの中に「共有ファイル」があり、その中に研修医関係のフォルダがあります。その中に、学会参加に必要な一連の書類(旅行伺い・学会参加整理票・復命書など)がありますので、それを利用して下さい。


Q10.当直について具体的に教えてください。当直料はどれくらいですか?
A10.初期臨床研修医が担当する当直は、「総合当直」と呼ばれます。初期臨床研修医1年次は必ず、先輩研修医(2年次~6年次)とペアを組んで、walk-inで来院する時間外の救急患者さんを診療します。救命センターでの研修を除けば、どの診療科をローテートしていても、週に1回程度、総合当直を担当します。
研修医は自らファーストタッチを行い、診察し、検査オーダーを考え、コンサルテーションを行います。それを管理当直、救急当直、ICU当直(心臓系急患)、SCU当直(脳卒中~頭部外傷系急患)、NICU当直(小児内科系急患)がサポートする仕組みとなっています(屋根瓦方式教育;下図をご参照下さい)。
初期臨床研修医は、単独診療を行いません。また、好生館では約10年ほど前から研修医の増加に伴い、当直時間を準夜帯と深夜帯に分けました(23:00を境として前半組と後半組に分けました)。この結果、研修医が夜通し当直業務を行いヘトヘトになるということは無くなりました。このシステムは全国的にも珍しく、研修医の先生方の健康面にも寄与しています。
walk-in患者さんの中にも、重症患者さんが潜んでいます(歩いてきた心筋梗塞、歩いてきたくも膜下出血患者さんなど)。このため、好生館では、トリアージ・ナース制度を導入しています。ER(救急外来)を訪れた傷病者は先ず、専門のトレーニングを積んだ救命救急センター看護師(トリアージ・ナース)が、JTASと呼ばれる院内緊急度スケールを活用して急患を5段階に分類し、JTASⅢ~Ⅴの患者さんを総合当直医の診察に回します。ERではwalk-in患者さんと救急車で緊急搬送される患者さんとの動線は別になっています。ER内には観察用ベッドやレントゲン撮影室があり、ある程度シームレスな流れで救急診療ができます。
なお、当直回数は、月に約4回となります。当直手当は(前半当直でも後半当直でも)約2万円となっています。

総合当直の仕組みの図

ER診療に関するフロー図

Walk-in患者の移動経路